戸袋修理方法について
戸袋の傷みが住宅内部への雨漏りに繋がる事も!
「雨戸を収納するための箱(ケース)だから多少傷んでいても」と、住宅内部や基礎に影響がないだろうと思って放置していませんか?実は戸袋はその内部が住宅の躯体部分(基礎)と繋がっていて、戸袋を取り外すと断熱材も見えてくる構造になっています。戸袋の劣化や腐食などで破損した部分から雨水が浸入してしまうと、雨漏りを起こしてしまうことにもなります。
ここでは、「戸袋の概要と交換・修理方法」について解説していきます。
塗り替え工事や住宅の修理をお考えの方は是非、参考にしてみて下さい。
戸袋とはどの様な設備なのか
住宅の窓枠外側に隣接して設置されている戸袋は、夕方などに窓を目隠しする"雨戸"を収納するための設備です。この箱型のケースのことを「戸袋」と呼びます。目隠しだけではなく就寝時や外出の際の防犯目的としても
使われます。
一般的な木造住宅や和風造りの住宅の場合には、縁側や、サッシ(窓枠)を可動させる敷居(レール)の端に取り付けられています。1980年代以前など、建てられてから年数が経過している住宅の場合、今でも木製の戸袋が使われている場合があります。
戸袋の中には雨除け部分まで木材が使われている場合があり、トタン板などの金属よりも雨水の影響をうけやすく腐食しやすくなっています。
木材ならではの温かみや親しみやすさは木製の戸袋にはあります。しかし、住宅に長く住んでいると戸袋以外の"軒天"や"濡れ縁(縁側)"など、木造家屋にはメンテナンスが必要になってくる住宅外側の設備がたくさんあります。
そのため腐食に強く、耐久性のある「アルミ製(金属製)戸袋」が最近の住宅には広く使われる様になり普及しました。また、戸袋を必要としないタイプも多くなり、従来のレール上を雨戸が移動する「引き戸タイプ」だけではなく、窓枠の上側に設置された収納箱(シャッターボックス)がある「シャッタータイプ」を使っている住宅も見かけます。
戸袋と雨戸は一戸建て住宅だけに必要だといっても間違いではなく、アパートやマンションなどの集合住宅の場合に戸袋を見ることはほとんどありません。夜中の防犯目的として一戸建てには有効でも、マンションなどにはもっと他の防犯対策に費用を掛ける方が効果的です。
傷んだ戸袋の交換・修理方法と工事内容
それでは、実際に傷みが進行して補修が必要な戸袋の修理方法と、その補修工事の流れを紹介していきます。実際に補修工事を行った住宅の画像とともに説明していきますので、戸袋の内部構造や傷みやすい箇所、その修理方法がわかってくると思います。
こちらの画像にある戸袋が修理を必要としている木製戸袋です。この戸袋の場合、雨が直接あたる部分にある"雨除け部分"も木製の部材が使われているので、金属製の波トタン板に比べると傷みやすいです。
状況として雨や紫外線の影響で塗膜が剥がれ、本来、戸袋の木製部材を保護するために施されていた塗装がほとんど剥がれて落ちています。そのため、戸袋を外部刺激から守るはずの塗装は、その保護効果を著しく低下させた状態になっています。
修理工程が進んでいくと見えてきますが、戸袋を外すと断熱材が現れて住宅内部と繋がっている事が分かってきます。内部と繋がっているので雨水が浸入し続けると、雨漏りを起こすというのも理解できると思います。
今回は傷んだ木製戸袋を修理するのとあわせて、木製だった雨避けを耐久性・防水効果の高い「トタン製(金属製)雨除け」を新たに取り付けることにします。
まずは、傷んでいる木製の雨除けを取り外します。雨避けを外すと戸袋内部が見えて内板が現れます。この時点で、内板に腐食やカビの発生が確認できないので、戸袋内部まで雨水が浸入してきてはいない様です。念のため、内板も外して確認してみます。
内板を取り外すと断熱材が見えてきました。断熱材は外壁と内壁との間に取り付けられ、外気温が室内に直接伝わるのを防ぎ、エアコンなどで調節された室温を外に逃さない効果があります。
断熱材がないと夏は蒸し暑く冬は極寒の中での生活になり、古い木造住宅やプレハブには入っていなかったりします。
断熱材が見える状態という事は、住宅内部の基礎(躯体)と繋がっているという事です。
幸い今回はここまで水が浸入していなかったので補修しませんが、この部分に腐食が見られて傷んでいると断熱材や部材交換など、より修理費用が掛かってしまいます。その雨水浸入が続いていくと最悪、住宅内部への雨漏りに繋がります。
今回は戸袋内部に雨水が浸入していないかを確認するために内板を外しました。仮に雨水浸入あった場合、今後のことを考えて防水効果を高めるため、防水紙(ルーフィング)も内板表面に取り付けます。
防水紙とは板紙にアスファルトを染み込ませた防水部材です。戸袋内部まで雨水が到達していなければ、そのまま内板を戻して戸袋に蓋をする様に上板を取り付け釘で固定します。
また、上板や内板、ルーフィングの継ぎ目から雨水や湿気が浸入することでも雨漏りに繋がるため、隙間にはシーリング材を注入して防水処理を施します。シーリング材は弾力のあるシリコン系の素材でコーキング材とも呼ばれ、コーキングガンにセットして使用します。
「波トタン板」は、鉄に亜鉛メッキを施した金属素材の板で、メッキにより腐食にも強いです。この波型形状に加工されているのは平板よりも圧力に強く、変形しにくいためです。強度を持たせた作りになっています。
戸袋の外枠などが傷んだり腐食している場合には、新しい材料へ交換します。腐食や傷んでいる部分の交換後に、外枠とトタンともに戸袋全体を塗装して雨水などから保護します。
塗装は雨や紫外線などの外的刺激から、戸袋の木部や鉄部を保護するために必要です。戸袋の傷んでいる箇所の特定を行って、交換や修理が必用な部分を直し、修理が終わって最後に塗装を行うというのが、戸袋の修理工程です。
この様な工程を行って、戸袋の修理が完了します。
基本的な修理内容は、この様な工程で行います。
戸袋の傷みから雨漏りへ繋がります
この程度なら大丈夫だと放置せず、気になる箇所がありましたら、ご相談下さい。大切な住宅の美観を維持しながら、守っていきたと思っています。
住宅の事なら何でもお気軽にお問い合わせ下さい。
TEL:049-299-5196